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2009年1月16日 (金)

ダークナイトのすごさ


Images1
映画の冒頭から映像がキレイだなとは思ったのだ。ビルの屋上シーンもなぜか他の映画よりも恐怖を感じたのだ。IMAXだったとは。普通ストーリー映画をIMAXで撮ろうなんて思わないよ。でもその圧倒的映像体験を観客が堪能することを信じて推し進めたクリストファー・ノーランの監督力はたいしたもんだ。
それを支持したプロデューサーたちも度胸がある(恐らく当初は反対しただろうけどね)。普通はですねパニックものアクションものは特殊効果にお金をかけてカメラ機材まで気もお金もまわらない。すぐHD撮影を選択してしまう。しかし高画質の映像というのも実は特殊効果の重要な要素だったんだな、とこのメイキングを見て参考になった。
製作費は1億8000万ドル、ざっくり換算して180億円あるとはいえねえ、見事に予算を使いこなしたのではないか。

クリストファー・ノーランはCGを多用しない。実写の方が圧倒的に観客に訴える力があると確信している。
確かにそうなのだ。しかし現在の映画製作においては予算的にも爆破や巨大建造物、群衆など特撮が困難なものはすぐにCG制作を選択しがちである。予算を抑えて映像化可能とするCGは確かに近年の映像製作においては不可欠な要素だがやはり実写にはかなわない。クリストファー・ノーランがイギリス人ということもその実写志向に関係しているような気がする。意外にイギリス人は物作りが得意である。ミニチュアなどつくらせると上手いもんだ。ロータスやMBなどバックヤードビルダーの伝統があるのかもしれないな。

そしてスタッフワークのすばらしさ。
市街地でのカーチェイスや爆破は入念なテストと複数のスタッフとの正確な連携がなければ成功しない。そして絶対に失敗しないためのシミュレーションが必要とされる。
万が一事故が起きれば二度と撮影に貸してくれなくなるからだ。一つのチームが起こした不祥事はどんどんロケの選択肢を狭めていってしまう。
しかしトレーラーを横じゃなくて縦に倒してしまうんだからね。横転じゃなくて縦転なんである。
これをやり遂げてしまうスタッフのオペレーション能力は非常に高い。
日本人スタッフはここまでの大規模撮影など慣れてないから多分無理だ(もともと日本人の特質として大きく拡げるよりも小さく、けど細やかなものが得意である。脱線するがこの辺の話は「縮み志向の日本人」を読むと納得できる)。

ヒース・レジャーのジョーカーは確かに素晴らしかった。しかし彼を映し出すIMAXの映像と、彼を活かす画像を創造したクリストファー・ノーランが彼の演技をより際だたせ、彼が受ける評価に貢献している。役者を生かすも殺すも結局監督次第。演出、撮影、美術、演技、その他もろもろのスタッフワークがからみあって画面にその結果が映し出される。だから映画作りはやめられない。

クリストファー・ノーラン監督で「ブレード・ランナー」をリメイクしてくれないだろうか。ものすごく見たい。

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