「君は永遠にそいつらより若い」 津村記久子
京都の文系私大に通うホリガイは22歳にして処女である。というよりも女の童貞という方が適当だ。頑なに守っているわけではもちろんないが、なんとなく機会がない。故郷での社会福祉主事の採用試験にも合格しあとは卒業までをだらだらと(淡々と)過ごしていく日々。
惹かれるひとはいる。飲み会で知り合った穂峰くんにはその日に惚れて結婚したいと思った。しかし穂峰くんとはそれっきり。会って告白しようと決めた次の日に彼は死んでしまったことを知る。
男友達の彼女を別に親しくもないのに、飲み会の流れで泊めてしまったりする。
その娘と男友達のけんかに巻き込まれたりしてしまう。アルバイト先の部下で下半身に悩みをもつヤスオカからはなぜか慕われてしまう。そして依然として
ポチョムキン(処女の意味らしい)だ。
他人にはなにげない日常にみえるかもしれないが本人はしんどいのだ。
穂峰くんの死の真相、イノギさんとの出会い、ホリガイ自身の社会福祉主事になる、本当の理由。
平坦に見える日常の陰には様々な真実が存在しそれが思いがけない行動へ彼女を導いていく・・・
まず軽妙な会話に引きつけられる。ゆるやかで(いろいろあれど)楽しそうな学生生活。しかし、
一見芯のない生活を送っているように見える登場人物たちの心の奥底に
流れる葛藤、心の傷、そして正義感。結構タフな人生。
面白い。ケッサク。
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